第六回:シングルとダブルはどちらがお得?
私はダブル派である。
成人式で買った初めてのスーツもダブル、チーズバーガーもダブル、行きつけのバーで口髭をもっさりと蓄えた口数の少ないマスターに注文するウイスキーも当然ダブルだ。
シングルでは少し物足りず、トリプルではいささか持て余す、その間の丁度良いポジションが友達以上恋人未満のダブルなのである。
話は数週間前に遡る。
念願のDODのキノコテントを手に入れた私が、歌って踊りながら道行く人にハイタッチをしたい気持ちをぐっと抑え、近くのキャンプ場へ試し張りに行った時の事。
テントの試し張りも終わり、購入前の期待値以上の満足感に包まれて、次のキャンプは何処へ行こうかと考えながら撤収を始めていたその時だ。
突然強烈な痛みに襲われ、足はフラフラ、意識は朦朧(もうろう)。
額に大粒の汗をかき、もはやこれまでかと諦めかけた時に、どうにかキャンプ場の隅っこにある小屋を見つけて駆け込んだ。
すんでの所で事なきを得てホッと胸を撫で下ろし、仕上げにかかろうとしたその時さらなる試練が訪れた。
シングルなのである。
ダブルをこよなく愛する私が手にしたトイレットペーパーがシングルだったのである。
全てを包み込む大きな慈悲に満ち溢れたダブルを母とするならば、シングルは口数控え目でぶっきらぼうな日本海の荒波を思わせる厳格な父。
以前にも少し触れた事があるのだが、私はこれまで一度としてウォッシュレットという物を使った事がない。
普通の人がホップ・ステップ・ジャンプの3工程で行く所を、私はホップからいきなりウォッシュレットの工程であるステップをすっ飛ばしてジャンプをする事になる。
私にとってシングルを使うという事は、尻に辛子味噌を擦り込まれ、ケツバットで百叩きの刑にも匹敵する父の愛のムチを浴びると同義。
それ故に全てを包み込む大きな慈悲に満ち溢れたダブルは私にとって必須なのである。
キャンプ場レポではトイレを詳しく紹介している記事をよく見かけ、やれ便座が洋式だの、やれ暖かいだのと正直私にとってはどうでも良い情報が並んでいるが、私が本当に欲しい情報はトイレットペーパーがシングルかダブルかという事だけである。
しかし言わずもがな、キャンプ場のトイレットペーパーはシングル勢が幅を利かせており、コスト面から考えると妥当だと思われるが果たして本当にそれで良いのか。
今回のような無料キャンプ場では致し方無いが、高規格と謳っているキャンプ場ではダブルを使ってからこそ初めて高規格と言えるのではないだろうか。
いつの日か、全国の高規格キャンプ場で、全てのトイレにダブルのトイレットペーパーが設置される日を夢見ながら、最後に少しだけシングルとダブルの差を記載しておきます。
■シングル(60m)とダブル(30m)の一本当たりの値段は一緒。
■シングルは約33回分でダブルは約21回分。1.6倍長持ち。
■実はシングルの方が使っている紙の量は多く、手間もかかり、ダブルより製造コストはかかかる。
■ダブルの方が紙の量は少ないが二枚の間に空気の層が出来る事により、あの夢のような柔らかさが実現。
■メーカーも本音はコストの安いダブルのみにしたいらしいが、一部の熱烈なファンがいるので踏み切れないらしい。
製造側にお得なのは意外にダブル、消費者側はシングルに軍配が上がるという結果になったのだが、日本人の3人に1人と言われる尻に特別な事情をお持ちの方を含め、この乾ききった世の中に必要なのはやはりダブルのような優しさと思いやりだと思う。
PS:熱烈なシングル派の方は今回の記事は気を悪くせず、全て水に流して下さい。
以上、えびかにでした。
コメント
最初なんの話かなぁと思って読み進めて行ったら笑ってしまいました(笑)
今度行くキャンプのレビュー書く時にはトイレ事情も調べておきますね!!
>たろ。さん コメントありがとうございます♪このシリーズは悪ふざけが行き過ぎた記事ばかりなのでくだらない内容でごめんなさい^_^;多分トイレットペーパーを気にするのは私だけだと思います(笑)