第七回:がまかつ
こんにちは、えびかにです。
車に乗ったり、街を歩けば様々なステッカーを貼っている車を誰でも一度は見かけた事があるだろう。
趣味趣向に沿ったメーカーの物であったり、好きな歌手やアニメ、はたまた水曜日ではどうだろう的なステッカーが一般的であろうか。
貼る理由は人それぞれだが、共通するのはそれらをこよなく愛し、私はこのジャンルが大好きですよと周りにアピールしたく、なお且つそのデザインが気に入っているからに他ならない。
わが家は『snowpeak』というアウトドアブランドの小さなステッカーを1枚だけ貼っている。
キャンプが大好きですよアピールと、黒いボディーに真っ白なステッカーがカッコいいと思って貼っており、パッと見れば熱烈なスノーピークが好きな人だと思われそうだが、持っているスノーピーク製のギアはコップだけである。
見知らぬ相手の趣向趣向が分かるというのは面白い物で、車を運転している時、車線変更でもたついている車に同じジャンルのステッカーが貼られていれば、ついついどうぞお先にと譲りたくなるのが人情という物。
全ての車に趣味趣向を凝らしたステッカーを義務付ければ少しだけ日本が平和になるかもしれない。
私が中学生の頃、男子の間で流行っていた遊びがある。
背後からそっと近づき、後ろから股の間に手を差し込み、股間を握りしめそのまま持ち上げるという恐らく世界で二番目にくだらないであろう遊びを転げ回って爆笑しながらやっていた。
その一撃必殺の技の名前は『がまかつ』。
『がまかつ』と言えば超一流の釣具メーカーであり、キャンプメーカーに例えれば『snowpeak』に勝るとも劣らない有名所である。
そのたった4文字の平仮名は見る人に強烈なインパクトを与え、得も言われぬ言葉の力強さが溢れ出ている。
当時、魚釣りにチリ程の興味もなかった私は当然『がまかつ』が釣具メーカーである事などつゆ知らず、道行く車の後ろに貼ってある『がまかつ』のステッカーを見る度に、『ははーん、あの車の運転手もアレが大好きなんだな。』とほくそ笑み、助手席で母に気付かれないように1人でニヤニヤしていた物だ。
話しを戻し、仮に自分の両手を組み合わせて人差し指を真っ直ぐ突き出した状態で、すのぉぉおお…ぴぃぃぃぃいぃぃいいくぅぅううっっっ!!!と叫びながら他人の尻に差し込む必殺技を開発した中学生がいたとしよう。
そうなると彼にとって私の自慢の愛車は、只のカンチョ…snowpeakと書かれた滑稽な車としか映らないだろう。
そんな妄想をしながらいつ現れるやも知れない中学生に備え、ステッカーを剥がしたい衝動に駆られた私は少し疲れているのかもしれない。
もし車を運転中にsnowpeakのステッカーを貼って、もたついている車を見かけたらニヤニヤしながらそっと道を譲って頂けたら幸いです。
今日はこの辺で。
以上、えびかにでした。
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