仕事から帰った私は、カバンの中から取り出したカギを玄関のドアノブに差し込み、静かにドアを開けた。
家の中からは人の気配がしない。
翌日からお盆休みに突入する私は、夢の6連休をゲットする事に成功したのだが、今朝からヨメと少年は実家へ里帰りしている為、今日から6日間1人ぼっちが確定していた。
久しぶりの自由時間をゲットした私は写真を撮りに行くか、ソロキャンへ行くか、もしくは両方いっちゃうよくばりコースにしてしまうか布団の中で計画を練る事にした。
しかし、天気予報を見てみると、このお盆は台風の影響でイマイチ天気がパっとしない。
目の覚めるような山の深緑も見られなければ、今にもこぼれ落ちてきそうな満天の星空も見れそうにはない。
だが、1人ぼっちで家にいても、ブログを書くぐらいしかやる事はない。(ブログ書け)
せっかくだから朝早く起きて、普段行けないような県外まで足を伸ばそうか等と深夜2時頃まで悩んでしまったお陰で、翌朝起きた時にはとても県外まで行けるような時間ではなくなっていた。
しかも結局どこも予約していなかったので、予約不要のキャンプ場しか選択肢はなくなった為、写真を撮りながら無料のキャンプ場を目指し、運良く空いていればキャンプをしようという、シェフの気まぐれコースとなった。
オードブル(前菜)
まず向かったのは広島県安芸太田町にある、安野花の駅公園。
ここは2003年に廃線となった駅で、現在は公園になっているのだが、駅舎や線路、当時走っていた車両までそのままだ。
残念ながら車両は痛みが激しく、現在はブルーシートに覆われてしまっているが、春には桜の名所として多くの人で賑わっている。
全ての物は生まれ、そこに存在し、いつかは必ず消えてゆく。
その限りある時間の中には様々なストーリーがあり、一言では語りつくせない思い出が沢山詰まっている事だろう。
昨日まで当たり前のようにあった物が、ある日を境に突然なくなってしまう。
そんないつかは消えていく儚さの中にある美しさに思いを馳せながら、駅舎に張ってある写真や駅ノートにゆっくりと目を通した後、後ろ髪をひかれる思いで安野駅を後にした。
子供を連れてまた来よう。
ポワソン(魚料理)
次に向かったのは井仁の棚田。
こちらも同じ安芸太田町だが 、同じ町内なのに距離にして軽く15kmは離れている。
江戸時代の農業技術の名残が今でも残る棚田で、農林水産省の棚田100選にも選ばれている場所である。
ひまわりもちょうど見頃を迎え、カップルや夫婦、家族連れがいる中で、周りがどう思っているかは分からないがおじさん一人でもかなり楽しむ事が出来たので、私と同じようにヨメと子供だけで里帰りしてしまっているひとりぼっちのお父さんはココロの隙間を埋める為に、是非行ってほしい。
ただし、軽い気持ちで散策した棚田であったが、思った以上に距離とアップダウンがあり、車に戻った時には汗だくになっていたのでタオル必須である。
ヴィアンド(メインディッシュ)
早くキャンプしろよ!
どこからかそんな声が聞こえたような気がしたので、さらに車を30km程走らせて、しぶしぶキャンプ場へ到着した。
連休なのでさぞかし人も多いだろうと思っていたのだが、みんな墓参りにいっているのかサイトは選び放題だった。
私がキャンプをしている間に、みんなご先祖様をお迎えしているのではないかと思うと、なんだか後ろめたい気がする。
今回は林間サイトなのでタープは張らず、格安ワンタッチテントを設営。
雨風に弱いのでこころもとないが、この手軽さは魅力である。
昼食
今日はお盆という事で、昼間っからお寿司をつつけるよろこびをご先祖様へ感謝しながら、ビールで流し込む。
なんだか後ろめたい。
木漏れ日の差す静かな林間サイトの中を、心地よい風が吹き抜ける。(扇風機)
特に何かをしていた訳ではないのだが、ダラダラしたり、ゴロゴロしたりしてるとあっという間に夕方になってしまったので、夕食を作る事にした。
夕食
とはいっても、一人分の肉を焼いて冷凍チャーハンを暖めるだけなので、カセットコンロがあれば事足りるのだが、ここで野菜を買い忘れるという痛恨のミスが発覚。
・・・
いやいや、これはない。
迎え火
今日はお盆である。
これは焚き火ではなく、ご先祖様が迷子にならず家にたどり着けるように迎え火を焚かなければならないという思いから焚き火を始めた。
あ、焚き火って言っちゃった!
ただ、ここで迎え火をしてしまうと、わが家のご先祖様は仏壇のある実家ではなく、聖湖キャンプ場へ召喚されてしまうことになるので、やっぱりこれは焚き火ということにしよう。
今夜は曇り空の為、星空撮影会も出来ない上に、昨日は遅くまで起きていた為、9時には寝袋に潜り込んだ。
翌朝
朝ごはんは昨日の残りのチャーハンを炒める。
ソロキャンの時は、行く前までは色々作ろうと思って食材を持って行くのだが、結局前日の晩御飯の残りが朝ごはんなることがほとんどである。
全く同じでは味気ないので、かつお梅を乗っけて味変を図る。
デセール(デザート)
ソロという事で撤収もあっという間に終わり、お昼前にキャンプ場を出た私は、近くにある八幡湿原という湿地帯で小一時間程の散策を終えて、今回のシェフの気まぐれキャンプは終わりを告げたのであった。
今回はソロキャンということで、フットワークも軽く色々な所に行く事が出来た。
ファミリーキャンプだと子供に楽しんでもらうのがメインの為、あまり自分が行きたい所へは行けなかったりするのだが、こういったキャンプもたまにはいいものである。
コメント
片添ファミキャンレポでホッコりさせて頂いた後にソロキャンレポ。
楽しませて頂きました(*^^)v
一人ぼっちの6連休なんてなかなか無いですよね。
普段あまり行けないソロキャンプに出るのは必然でしょう!
是非きのこ食べて欲しかったです(笑)
で、6連休。出撃は1回だけでしょうか??
いや~最高の連休でした!1~2日で聖湖、3日目は三江線の廃線と野鳥巡り、4~5日目はフォレスタ広島へ、6日目はヨメと少年が帰って来たので、墓参りやらなんやらであっという間のお盆休みでした
フォレスタは今の所レポを書く予定はないですが、施設紹介をちょろっと書こうかなと思ってますが、時間が中々(汗)
ゆうにんさんの久々のファミキャンレポも楽しみにしてますね